十年一昔。

自転車競技に専念し始めて、はや十年。
世の中も、輪界も、身の回りを取り巻く環境も、大きく変化した十年だったのではないかと思う。
早くも三十路に差し掛かり、自然と十年という節目で選手活動に区切りをつけることになったが、特に意識したという訳ではない。

ヨーロッパでプロになるという目標を立てておきながら、目の前のことだけで精一杯だった選手生活であった。
あの時にあぁしていれば、もっと粘れば...とか、いろいろ思ってしまうこともあるけれども、その時はそれがベストだと考えてしまったのだからしようがない。

最近はどうもいかん。
つい「俺が若かった頃は...」なんて、ボヤき始めるようになってしまって...

昨年にはすでに加藤GMに、'18,'19シーズンの怪我が続いて、これ以上足踏みする訳にもいかないので、今年でキナンサイクリングチームでお世話になるのは最後にしたいと思います、と伝えていた。
もちろん、まだまだ続けたいという気持ちもあった訳で、来年以降にはステップアップするつもりでいた。

しかし、今年に入ってから自分の考えていたよりもパフォーマンスを改善できず、いいところ維持か調子が良くなるくらいだろうな、と感じ始めた訳である。
十年もこの体で自転車を走らせていれば、だいたいの具合は分かるというもので、この歳になればいきなり強くならない事も十分に承知している。

そして、コロナの影響で世界中が大混乱に陥る中で、この先どんな活動ができるか不透明になった時。
諦めの悪い性分の私からしたら「今年が選手を辞めれる潮時かな」と、考えた次第である。

特にやりたい事もなかった十代だったが、自転車競技と出会ってからというもの、たくさんの人と出会い、支えて頂いて、人生が大きく変わった。
チームの方から引退発表されてから、たくさんの方からお声を頂戴して、本当にありがたい選手生活であったと感じる次第である。
目標とした舞台からの世界を見ることはできなかったけれども、貴重な体験をさせてもらえたな、と深く感謝している所存である。

ひとりじゃ何もできないのに、最初から最後までワガママだった自分を、ずっと応援してくださった皆様に、改めて深く感謝申し上げたいと思います。

そんな私であるが、南武線「矢野口」駅から徒歩1分。
矢野口交差点の十字路に店舗を構えるCross Coffeeにて、新しい世界を見るべく絶賛修行中である。

年始は3日(7:00~11:00)からの営業となっているので、ぜひ走り初めの際にはお立ち寄りを。

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