8.6.17

勝率 1/3

ロードレースの駆け引き(ペース配分)は、一種のギャンブルである。

もし年間50レースを毎レース全く同じ脚力の100人が出走すれば、単純計算で勝てる確率は約40%。6割以上の選手は1勝もできずにシーズンを終える事になる。
2016年はあの最強の世界チャンピオンでさえ、約80レース走って18勝。勝率20%前後。

軍資金は己の脚力。勝率はエゴや思惑が複雑に絡み合い、ゴールラインまで常に確率変動がかかり続ける。
少しでも良い順位、各賞ポイント、秒差を勝ち得る為に勇気を持ってベット(アタック)するのであるが、あっさり優勝を確実にしてくれるベットレートもあれば、蓋を開けたら優勝争いから取り残されるベットレートもある。
だが悲しいかな、ベットレートはやってみないと誰にも分からない。

複雑な駆け引きや細かい規則、暗黙の了解などもあるが、基本的にルールはいたってシンプル。
"よーいドンでスタートして、誰が一番最初にゴールするか"

ロードレースらしい展開となった、Tour of Japan 第4ステージの展開をギャンブルに置き換えて考えてみる。レポートと一緒に読んで頂きたい。
自分の軍資金(体力)を¥10,000として、レースの展開を考えていく。
もちろん選手によって軍資金には多寡があり、一度に張れる金額(アタック、スプリント)は選手の強さによって大小がある。
¥20,000のビッグエンジンな選手もいれば、同じスピードのアタックでも周りの選手よりも少額の張りで済むエコノミックな選手もいる。

と、いずれにしろ出走前には少しでも軍資金のマージンを確保しておきたいところ。


そんな時に有効なのが、ATHLETUNE 赤 ENERGAINである。
レース・練習の20分前に摂ることで、いち早く身体を戦闘態勢にしてくれる。
BCAAやクエン酸はもちろん、イミダペプチド:抗酸化作用による抗疲労効果、生姜エキスとシトルリン:身体を内側から暖めてくれる、による高いパフォーマンスが期待できる。


寒い時期では、ウォームアップの走り出し前に摂取することで、効率的に準備ができる。

コースや選手のスタートリストと直近のリザルトを見て、要注意選手や展開を予想しておく。
また、タイヤに石が刺さってないか、ガタやホイールが曲がっていないか、不要なトラブルで勝率が下がらないようにチェックしておく。

さて準備万端、レースを始めるとしよう。
今回のレースは、逃げに乗ってステージ優勝を狙う事だった。

ロードレースの基本的な戦術として、まず逃げに選手を送り込むところから始まる。
これには主に2つの思惑が絡んでいる。
1つは、メイン集団から逃げ切って優勝を狙う動きであること。メイン集団から少人数で逃げ切って、1人あたりの勝率上げる動きだ。
もう1つは、チームメイトを前に送り込むことによって、集団に控えているチームメイトが有利に展開を進められる事である。

さて逃げに入るべくアタックを掛けていくのだが、これは序盤から掛け金を張り続けることによって、後続とのギャップを獲得していく動きと言い換える事ができる。
仮に1アタック:¥500とする。スタートしてすぐ、2人の選手がアタックした。少し間が空いてから追走のアタックを掛けた。決まるかもしれない”逃げに乗る”ために、決まるかどうかわからない”追走アタック”に¥500張った訳だ。そして、前を追うために2分くらい踏み続けた(¥200としよう)。
¥700の張り(体力を削って)をした結果、5秒くらいまで詰めたところで、後ろから¥750くらいの張りをしてきた奴が追いついて来た。さらにそいつの後ろには集団が繋がっていた。つまり、最初の賭けには負けたと言える。
しかし、前の2人はまだアドバンテージを保っている。これは、スタートアタック(¥500)を掛(賭)けて、前で踏み続けた(¥500くらい。何故なら¥700の張りで、差を取り返せそうだったから)ことで、¥1,000(正味1人¥500出し合った)の掛け金分のアドバンテージを得たことによる。
人の後ろに付いていくには半分以下の出費で済む(アタックも同じ。自分で掛けるよりも、人のアタックに付いた方が楽)から、集団で脚を溜めている選手はほぼ出費をしていない。

さて、どうするか。この様な「あと少しで逃げに乗れた」「こんなに踏んだのに、後ろが追いついてきた」「もう少しで逃げが決まるんじゃないか」という場面。諸賢も一度はあるのではなかろうか。ここで焦ってやってはいけないのが、今まで張ってきた金(体力)を正当化するために、”更に張る(アタック)”ことである。
仮にここで¥1,000のフルスプリントアタックを掛けて、単独で追いつけたとする。もしそれで逃げ切れたとしても、2人に比べて軍資金(体力)の消耗は激しくなっているので、勝負になったところで不利になる。途中で軍資金が尽きた、なんてのは以ての外だ。
アタック合戦は1時間以上かかる場合が多い。序盤にも関わらず、すでに¥1,000、¥2,000の張りをしてきて残金が少ない状態だ。今日は長丁場、ここは落ち着いて流れを見る。
すると、後ろからまたドンパチが始まった。皆、考えていることは同じである。

もし、必ず逃げに乗れとオーダーされているチームが数チームあれば、それらのチームが納得のする逃げができるまで、アタック合戦は続く。例えそのような逃げができても、集団をコントロールしようとしているチーム、あるいは後手を踏みたくないチームが「この逃げは容認できない」と判断すれば、また振り出しに戻される。これを延々と繰り返して、各選手・チームの”残金(体力)”と”作戦・思惑”の落とし所が重なった所で、逃げというのは決まるのだ。常に先の事を考えて、なすべき事と、賭けをする事によって得られる事を考えながら走らなければ、なかなか勝利には辿り着けない。
”どのアタックが決まるか”、ハッキリ言ってこれはその場の雰囲気・流れを感じ取るしかない。100〜200人も走っていて、おおよその展開は読めても、誰が何を考えているかなんて、誰にも分からないのだから。

さて、ど平坦のコースでの2人の抜け出しということもあり、早々に逃げが容認された。
仮に、2人の軍資金¥10,000、2人で50km/h巡航:¥3,000/hとしてみる。すると1アタックで抜け出して、そのまま30分後には逃げを確定させたので、2人の残金(体力)はそれぞれ¥10,000-¥500-¥1,500=¥8,000となる。ペースを落ち着かせて、45km/h巡航:¥2500/hとすれば、残り3時間なので¥8,000-3×2500=¥500。ちょうど最後のスプリントの脚も残せるペースだと考えられる。
一方、集団で脚を溜めているエース格、スプリンターとそのアシストは、集団に待機するのに必要な出費だけで済んでいる。

自分は¥1,000弱の賭けをして、見事に擦った。これが、10人の逃げになっていたら、マズくなるのだが、とりあえずはリーダーチームに任せる。
ロードレースは慌てたら負け。後手を踏んだからといって、ガミって走り出したらそれこそ終わり。

後ろにいるからこそできる展開もあるのだ。

続く。

注:あくまでロードレースの展開なんざ水物の見方のひとつです。適宜、展開に順応した対応をしましょう。

ATHLETUNE

1 件のコメント:

  1. 面白いです。いつか続きをお待ちしております。横道にそれますが「水物」という言葉を初めて知りました。

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