6.7.17

勝率 2/3

前回より。

中盤に最大7分くらいの差が開いて、2人45km/h巡航:¥2,500/hとして、2時間半経過で2人の残金は¥3,000となる。
自分は序盤のアタックで¥1,000を擦って集団待機で¥1,000として、残り¥8,000。

集団をコントロールするチームは、逃げ切らんとする逃げとの差を広げすぎないようにコントロールを開始する。
ここでも駆け引きはあって、リーダーチームは何人の人数を出してどのくらいのペースを刻むか。万が一、チームが崩壊してリーダーが丸裸になってしまわないようにする為にも、翌日のステージの事を考えてあえて逃げ切らせて残金を温存させるか、もしくは他チームのペースアップを上手く使うか、などチームの戦略を考えなければならない。
スプリントに持ち込みたいチームはどこまでリーダーチームに力を使わせて、そしてどのタイミングで列車を組んでエースを発車させるか。他のチームが痺れを切らせて牽引を始めるのを我慢するか、早掛けをして他チームに余裕を与えないままゴールまで牽ききるか。
これらは個人の軍資金よりも、チーム全体の軍資金の総和で行うチーム同士の駆け引きになってくる。

落ち着いた展開の中でも、残金は少しずつ削られていく。気がついたら軍資金切れで身体が動かなかった、なんてこともある。いわゆるハンガーノックだ。
基本的に身体に蓄えられる軍資金(エネルギー)には限界があるので、使用分や不足分を補うために常に補給食を食べ続けなければならない。


運動中でも素早くエネルギー補給ができる、ATHLETUNE 黒 POCKET ENERGY

まず、その携帯性。
レースの際には補給食をポケットに入れて出走するのであるが、いくら小さいとは言え、個数が増えれば重量が増えてしまう。ロードレースにおいて重量が増える事は不利な条件となってしまう。ボトル運び以外に仕事が増えるから辞めてほしいが、重量が増える事を嫌ってほとんど持ち運ばないシビアなエースもいたりするので、”補給食の重量”というのはレース前の補給食選びの際には、重要なファクタであったりするもの。
POCKET ENERGYは1包あたり、47gの軽量性で薄くかさ張らないパッケージとなっている。これならば、ポケットに詰め込んでも気にならない携帯性と言えるだろう。

また、パッケージには”食べやすさ”も求められる。
アマチュア時代は補給食に、ミューズリーバーやアルミ箔で包んだジャムパンなどを食べていた。ラインレースで落ち着いた展開があるのならばそれでも良かったのだが、スピードが緩まない周回コースやクリテリウムのレースの時には、上手く包装を開けられなかったり落としたりして、思うように補給食を口にできずに難儀したもの。
遂にはレースの時間を見越して、あらかじめ必要と思われるエネルギー分のシロップをボトルに注ぎ込む暴挙まで繰り出す始末であった。酷い時にはボトルに半分のシロップを入れていた記憶がある。もはや水分補給というより、シロップを水で飲んでいると言っても過言ではなかった。ちなみにレモンシロップがお気に入りであった。


話が逸れたが、POCKET ENERGYはポケットとから取り出して、封を開けて、中身を飲み込むまでに3秒もあれば十分である。非常にストレスフリーで扱いやすいパッケージとなっている。


過度なボトルの糖質化は避けたいが、適度にボトルにエネルギーを入れておくと継続的に効率良くエネルギーを補給できて、ポケットに入れる補給食も必要最低限の量だけで済む。
POCKET ENERGYをボトルに入れる際には、よく揉みしだいて、ゼリーの塊を無くそう。大きな塊が残っているとボトルの飲み口が詰まってしまったり、塊が飛び出してきて喉に直撃してしまう事があるので注意が必要。

肝心の中身であるが、飽きのこない味である。
月並みな感想で申し訳ないが、レースが終わるまで「おいしい」と感じられる仕上がりになっている。
レース前半はバナナやジャムパンなどの固形物を摂取するのだが、レース後半になると内臓も疲れてくるのでジェルやゼリーのような”高エネルギーで吸収しやすいもの”を摂取する。その際に競技向けの高濃度のジェルや甘ったるいゼリーだと、レース後半の脱水も相まって、口の中に不快感が広がる事があるのだ。
POCKET ENERGYはゼリーであるものの”サラッ”とした食感と舌触りなので、暑いレースの後半に摂取しても、口の中がサッパリしたまま飲み込める。
そしてゼリーである事と、”中鎖脂肪酸”が配合されている事によって、非常に腹持ちがよく感じられるのだ。

また1包あたり105kcalと、体重管理の際にとてもカロリー計算がしやすくなっている。
まさに、持久スポーツの為に生れてきたエネルギーなのである。

そんなPOCKET ENERGYを食べつつ、2人の逃げとメイン集団の構図は変わらずにラスト2周に入る。
スプリントに持ち込みたい数チームがアシストを出し合って、いよいよ最後に向けた駆け引きが始まった。ロードレースの面白いところのひとつであって、敵同士であっても最終的な目標、もしくは利害の一致があれば互いに協力をし合うという展開だ。
この場合は、”逃げとのタイム差を最小限に留めたい”というリーダーチームと、”逃げを捕まえて、エースによる集団スプリントに持ち込みたい”という数チームが、”逃げを捕まえたい”という思惑が一致したので、ジャージの違う選手たちが協力して集団のペースを作る事になるのだ。またゴール着順によるボーナスタイムもあるので、今回はリーダーチームも逃げを捕まえたという思惑がある。
ただし、どのチームがどのくらいの戦力を出すかは駆け引きである。表面上は協力してはいるが、勝負がかかれば敵なのであるから戦力は残しておきたいところ。

スプリンターチームにとって一番理想的な展開は、ゴールまで数kmのところで逃げを捕まえてゴールまでスピードを上げきって、スプリントに持ち込むこと。

なぜ余裕を持って逃げを捕まえないか。
仮に、ラスト20kmで逃げを捕まえたとする。20kmというのは結構長い。スプリントチームは最後のペースアップに戦力を残しておきたい。捕まえなければならない先頭がいない限り、風を受けて力を使いたくはない。
そうすると次に何が起きるかというと、アタックの撃ち合いである。総合順位やスプリントを狙わないチームの選手達が逃げを作ることによって、逃げ切りを狙う動きである。
もし数人の”とりあえず集団からの逃げ切りを決めたい”思惑と脚が揃った逃げができた場合、20kmというのはむしろ短い。脚の溜めた選手からしたら、集団から逃げ切る可能性は十分に考えうる。

そうなると困るのはスプリントチームである。力を使って逃げを捕まえたのに、また逃げを追わなければならないからだ。そして、ゴールまでの距離の短さは人間の醜さを浮き彫りにさせる事もある。
もし、各チームの思惑が一致していて協調が崩れなければ良いのだが...仮にAチームが逃げ切りを許すまじと懸命に前を追い始めたとする。すると他のB、Cチームは、「Aチームが焦って前を追い始めた。ここはAチームに脚を使わせて脚を溜めて、最後のおいしい所だけを持って行こう」と、考える。
ところが、AチームがB、Cチームの協調を得られず、前を捕まえられなかったとする。すると、Aチームを当てにしていたB、Cチームが互いに見合ってしまう。「お前らが牽けよ」と。
オーガナイズするチームが無くなってしまった集団。次に起こりうるのは、先頭に合流せんとする追走アタックである。そこに総合上位陣が抜け出そうと絡み出せば、事態の収拾はつかなくなる。ロード選手が嫌う、いわゆる”カオス”と呼ばれる状況だ。
しかし平坦コースにおいて、スプリンターを抱えていないチームからすれば、この”カオス”はワンチャン狙える希望の光が差し込む状況であると言える。

もしこれがスプリンターチームによってスピードが上げきられていれば、アタックを掛けられないので集団ひとつのままゴールになだれ込む、というわけである。

以上の事はもちろん、考えうる展開のひとつである。

また話を戻すと、順当に行けばこのままスプリントに持ち込まれるのは目に見えている。
ただ、ゴールまで5kmで山岳ポイントがひとつあるのがポイント。強烈なアタックを掛ければ1人でも逃げ切る可能性は無くは無い。なので、ワンチャン狙って元喜を最終周回の最後の登坂でアタックさせることに。

ところが、先頭の2人から1人が集団に戻ってきてしまった。山岳賞を狙う選手であるために、設定された山岳ポイントを獲得した後に下がってきたのだ。序盤のアタックに賭けて、欲しかった山岳ポイントを獲得できたので、この選手からすれば賭けに勝ったと言える。もしここで欲をかいて逃げ切りを狙おうとすれば、捕まる確率の方が大きい上に、長時間逃げていたことによるダメージで、翌日からの山岳連戦で苦戦を強いられることになりかねない。つまりトータルで見れば、ハイリスク・ローリターンであると考えられる。
1人となってしまった先頭。KOM手前で集団に捕らえられてしまった。
ゴールまで残り25km。先ほど述べた状況になってしまった。おまけに、自分らは密かにアタックを掛けようと目論んでいる。
一番キツイところで元喜が仕掛けた。先頭はアタックと牽制を繰り返し、不安定な状況。

一瞬の隙を突いて、今度は自分がアタックを掛ける。決まるかどうかは分からないが、もし2〜3人のメンバーと合流して協調できれば、勝率は1/84から1/3にまで上げることができる。もし逃げに乗れなくても、カオスな展開が期待できる。

続く。

ATHLETUNE

1/3

1 件のコメント:

  1. 7/6にツール・ド・フランス第6ステージを視聴していたのですが、解説の方が「あまり早く逃げを吸収するとアタック合戦が始まってしまうので宜しくない」みたいな説明をされていて、内心『???』と思っていた所、まさしくこちらで分かりやすい説明がありフムフムナルホド!!((φ(・Д´・ *)と納得いたしました!。

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