おひとりサマータイム


汗が止まらぬ。
日差しと気温が、日に日に強まってくるのを感じる。

多くのイベントが開催されたりして、一番盛り上がる季節だろう。この夏休みに自転車を始められる方も多いだろう。
ただ、楽しさのあまりに体調管理を怠ってノックダウンしては、せっかくの楽しさも半減・台無しである。
夏の暑さは冬の寒さと違い、下手をすれば生命の危機に直結することがあるので注意が必要。
夏の盛りを迎えるこの時期、少しでもリスクを減らすために準備をしていく。

まず、起床時。
寝ている間に大量の水分が体内から失われているので、まずコップ1杯の水を飲む。キンキンに冷えたものより、白湯、あるいは水道から出したものが良い。
起き抜けは体内の循環が悪く、内臓の働きも低下しているので、いきなり冷たい物を入れると負担が掛かる。
そして朝食前に軽い運動をすると良い。

朝食時。朝食は普通に食べる。
朝の爽やかな空気の中で飲むコーヒーは最高にウマい。
ただ、あまり飲みすぎないようにしよう。ご存知だとは思うが、コーヒーの利尿作用によって体内の水分を失われすぎないように気をつけたい。

出発準備。
まず日焼け止めは絶対塗りたい。アームカバーやレッグカバー、暑さ対策のバンダナ等も良い。
夏場で山奥に行く場合はベスト(急な雨用。ヘルメットキャップを忍ばせても良い)、補給食、スポーツドリンクの粉。
身体の体温を下げようとするエネルギーはかなりでかい。普通に走っているだけでも、消費カロリーはかなり大きくなる。暑い中での連日の練習で回復が追いつかず、あまり走ってないのにエネルギー切れを起こしてしまうことがよくある。
出発前に、脱水量を推測するために体重計に乗っておく。

出発する時間は早ければ早い方が良い。出来ることなら、日の出と共に出発したい。もちろん、無理なく継続できるリズムが一番大事。
気温が上昇を始める11時くらいには家の近くまで戻ってきているのが理想。4時間のライドを予定しているのであれば、7時くらいには出発していたい。
気温が30℃を超えてくれば、とにかく必要以上に、水分補給(飲み過ぎもダメ)、体温を上げない・下げる、ムリをしない、を徹底する。
個人的には31℃を境に、風の暑さが汗の気化による冷却効果を上回ると感じる。

コースは太陽の動きを考えながら山間部を抜ける様なルート選択をすることで、直射日光を避けた気温の上昇が少ない道を走る。
そして一番肝心なのは、常に水の補給をできる地点を通過していくこと。走り慣れている場所ならば、どこに水道があって、あれが最後の自販機で...と、ボトルの水切れ対策ができる。
初めての土地で走行するならば、ルート計画を立てる際に、コンビニ・商店の位置を確認しておき、無理のない休憩計画を組み込む。人気の無い山奥で水切れを起こしたら、まさに気力で走らざるを得ないことになるので注意が必要。
走行予定ルートに水分補給ルートが見当たらない場合は、背面ポケットにボトルを追加しておくと安心。


自販機やコンビニのないフランスでは、常に水補給のできる湧き水(eau potable)やカフェ等を見つけておかないと、夏場に練習ができない。
写真の水場は、下の蛇口は”eau potable”だが、上は”eau non potable”なので、注意が必要。

猛暑の中で脱水・エネルギー切れを起こすと、悲惨である。
踏めなくなる→スピードが上がらない→体温が上がる→集中力が下がる→踏めなくなる...の負のスパイラルに陥ってしまう。


ポケットには充分な補給食を詰め込んで行こう。
他にスポーツドリンクの粉を携帯しておけば、水さえ手に入れば汗で流れ出たミネラル類を補給できる。バナナは超優秀な補給食であるが、擦れるとジャージを黒く汚してしまうことがあるので、なるべくジャージに直接触れないようにしよう。


寮で食べているのは”丸山千枚田米”。まさに、KOM(e)である。
トマがツールド熊野のステージ優勝した時の副賞である。とても美味しいお米(KOMe)なので、ぜひ一度ご賞味頂きたい。
ビタミン・ミネラルを補給するために、雑穀などを一緒に炊いたご飯のおにぎり等も良いかもしれない。
消化が悪いので敬遠されがちだが、海苔もズバ抜けた量のビタミン・ミネラル類を含んでいるので、少し巻いておくと良い。かもしれない。

エネルギー切れでなくても、この炎天下、毎日何往復も同じ峠で追い込んでいては集中力が切れてしまう。たまにはおにぎりでも握って、峠の頂上でピクニック的な休憩をすると気分転換になって非常に良い。
食中毒が怖いので、前日のうちに素手で触らずに握っておいて、冷蔵庫に入れて冷やしておく。1膳くらいの大きさに握れば2〜3時間くらい、ポケットに入れておいても温かくならない。


峠の麓でお茶でも買って首袖に挿しておけば、冷却効果も得られるし、頂上に着く頃にはなんとも丁度いい温度になっているので、とても美味しく戴ける。ベストもこの時はランチョンマットとして使える。
辿り着いた頂上で食べる自分で握った握り飯は、やはり格別のウマさである。

あまりにも暑く感じるならば、頭、首筋、脚部に水を被る。ただし、冷えてないと意味がないと考えている。
基本的には汗が気化することで、体温を下げている。ぬるくなった水を被っても、気化を邪魔しているだけの気がするのだ。
それならば少し湿る程度に垂らすか、飲んで体内に取り込んで汗にした方がいい。


オーバーヒートしたなら、ジャージのまま川に飛び込んで冷やすのもアリだ。
自分も時々、飛び込んで遊んでいる。

帰ってきたら、できれば冷水シャワーを浴びたい。
暑い中で酷使した身体は炎症を起こしているので、冷やすことで身体の回復を早める。
なにも「ヒュッ」となるほど冷たくなくて良いので、気持ち良いと感じる温度の水で浴びるのが良い。
まぁ、自分はメチャクチャ冷たいシャワーを浴びるけど。

そして、意識して水分補給する。練習前と体重を比較して、損失分以上の水分を補給しよう。体液が薄まっているので真水よりも、フルーツジュースやスポーツドリンクを薄めたものが良い。水分の多く含むフルーツも美味しい。天然のガス水もいい。
カフェインの入っているお茶やコーヒーはなるべく避けたい。もちろん、アルコールも控えるように。
滝のように汗が流れたならば、基本的に水を飲み過ぎても飲み過ぎることはないはず。
ただし、あまり冷やしすぎたものばかり飲むと内臓が冷えてしまい、体調を崩してしまうこともあるので注意したい。

身体のケアは十分にしよう。


以下、駄文。

しかしまぁ、水分補給、フルーツ......ついにこの季節がやってきた。
店頭にも並び出し、売り場に夏の青臭さを漂わせている、あいつが。

何を隠そう、無類のスイカ好きである。

丸く可愛らしくて黒い縞模様がユーモラスな雰囲気を漂わせているが、ひとたび割れば、燃えるような赤、唯一無二の突き抜ける香り、溢れんばかりの果汁、幸福感を感じさせる甘さ。
好き過ぎて、3日間(昼夜朝昼夜朝)をスイカだけで過ごした事もある。
さすがにタンパク質不足だと思ったので、最後の昼はデザートとして戴いた。


フランスのスーパーにも並ぶ(スペイン産やギリシャ産など、色々な産地がある)のだが、1個あたり€2〜5くらいの安さで売っているので、夏場は買い物に行く度にスイカを買っていた。ただ、当たり外れが多い。日本のスイカは適当に選んでも、あまり外れる事が少ない気がする。
商品棚に積み上げられたスイカの山の中から、いかに甘くて水々しいスイカを探し当てるか、毎回真剣勝負であった。
東洋人が鬼気迫るしかめっ面で10〜20分もスイカを吟味していたので、相当変な奴だと思われていたに違いない。
色々な選び方があるようだが、縞模様がハッキリしている・凹んでいる、上部が凹み下部が窄み過ぎない、ツルから蜜が染みている、重さ、で見分けている。
叩いて音で判断するのは、個人的に難しい気がする。

子供の頃からの夢のひとつに、特大のスイカの皮を削いで身だけにして、丸ごとカブりつくというものがある。
丸齧りの魅力は、食べ進めるごとに甘さが増していくことだと予想している。
中心部が一番甘いので、好きな物を最後に取っておく派の自分に最も適した食べ方だと考えている。最後の最後まで中心部を残しておき、最後に口いっぱいに頬張りたいと思っている次第だ。
夢が実現した暁には、改めてご報告したい。


また切り方も、縦に黒い線に沿って薄く切りたい。そう切ることによって、中心部の甘い部分→外側の水分の多い部分...と何度も楽しめるからだ。そのままかぶりつく派なので、外皮のギリギリまで食せるというメリットもある。

塩をかける、とうものが有名であるが、余程のハズレに当たらない限りはそのまま戴くのが好きである。それに、せっかくカリウムを摂取できたのに、塩をかけてはもったいないではないか。
万一にそのハズレに当たってしまった場合は、醤油や味噌で戴くのも悪くない。
スイカもいわばキュウリの類である訳だから、合わないことはない。

ただ、砂糖だけは解せぬ。
邪道とまでは言わないが、しっかりと品定めができていれば砂糖などかけなくても良いはずだ。


しかし、やたら蒸し暑いなと気になったので調べると、寮近辺は夏は暖かい南風と黒潮の影響で高温多湿な気候になりやすいようだ。通りで熱が篭るような暑さだと感じる訳だ。
寮からすぐの尾鷲市となると、日本で4番目に年降水量が多い地点だそうな。
そして冬は北西からの風が紀伊山地を越えてくるために、キンキンに冷えて乾燥した風が吹き下ろしてくるのでえらく寒い。おかげで今年は三重県から外に出て、寒いと感じたレースはなかった。

J'adore.

コメント

  1. スイカは欧米でも売られているのですね〜!…と思ったら、原産は熱帯アフリカと知り度ビックリ!!(*´◒`*)

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