一帖の輪行術 其ノ一

自転車乗りならば会得すべき術、その名を「輪行」という。

「輪行」とは簡単に言えば、自転車を袋やバッグに入れて”荷物”として持ち運ぶこと。

国内外の飛行機、電車、バス...など公共交通機関を利用する際には、そのまま持ち込める場合もあるけれど、基本的には”輪行バッグ”に入れて自転車を運ばなくてはならない。
その際には、バッグによって程度の差はあるが、輪行バッグへは自転車を分解しなければならない。

別にできなくとも良いのだが、できた方が得である。


海外遠征の多いキナンサイクリングチームが使用するのは、OSTRICHのOS-500 トラベルバッグ(KINAN ver.)。
縦82cm×横135cm×奥行21cmで、多くの公共交通機関への持ち込みに対応している。(要確認)


使わないときには3つに折りたため、所在を明らかにするカードホルダーも付いている。

では、早速バッグに収めていこう。
自転車を必要な段階まで分解する。


まずは、チェーンを”アウタートップ”に入れる。
簡単に言えば、前後ともに”一番重いギアに入れる”ということ。
理由は後述するが、とりあえず今は一番重いギアにしておく。

次にブレーキの開放をして、ホイールを外す。
大抵、ホイールのリム幅よりもタイヤの幅が太くなるので、ブレーキを開放をしないと外れない場合が多い。


     ↓↓

カンパニョーロの場合は、ブレーキレバーに開放スイッチがあるので、それを内側から外側へと押し込む。
シマノ、スラムはブレーキ本体に開放レバーがあるので、それを回す。


     ↓↓

すると、ブレーキレバーの動き幅がより大きくなり、ワイヤーの引きしろが伸びる。
シマノ、スラムはブレーキ本体の引きしろが伸びる。


     ↓↓

つまり、ブレーキのクリアランスが広がり、ホイールの脱着が容易になる。
前後ともに行う。


ブレーキの開放が完了したら、クイックレバーを引いてフロントホイール(前輪)から外す。
爪がある場合は、ホイールが外れるまでクイックレバーを回す。


次にリアホイール(後輪)をフロントホイール同様に外していく。
クイックレバーを外したら、ホイールを真下に押せば外れる。


ここで後輪には、トップ(一番重いギア)にチェーンが入っていないと外しにくい。


トップより軽いギアにチェーンが入っていると、チェーンにテンションが掛かり、さらにホイールの脱着方向にチェーンラインが被ってしまうことによって、ホイールの脱着が困難になってしまう。
詳しくはリアディレイラーの役割にて。

フロントギアをアウター(一番重いギア)に入れるのは、チェーンが暴れないようにまとめやすくするため。


とりあえずホイールだけ外した。
車に積み込んだり、簡単な輪行であれば、ここまでの行程で済むだろう。
次は、愛車を守るための梱包に移る。


続く...

OSTRICH

コメント

  1. リアディレイラーの役割のリンク先の解説がとても面白かった(興味深い)です(^o^)/
    確かに言われてみれば、ギアが変わればチェーン長も変わるしピンと張った状態でなければ外れるし…と思いつつも、意識せず使っているとあらためてその仕組みを知った時、「おぉ〜!なるほど!」と感慨を覚えます(*´∀`*)
    うまく出来ている!

    でも名称のディレイラーって元はそういう意味だったんですね笑

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    1. すみません、後から妙に気になり出しまして…苦笑

      内容もさることながら、解説画像も凄いですね!!
      Excelですか?

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    2. カンパニョーロは機能もさることながら、美術品のような造形もカッコいい所だと思います。
      最初のロードバイクもカンパ組を選んだくらいで...

      画像はkeynoteでなんとか描いたものをスクショした、ど素人画像です。

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