熊野みち 四巡目


ついに今年もやってきた、熊野古道ヒルクライム。
昨年、初めて走った時の衝撃は忘れない。


今年も森本選手と筧選手にお招きし、大会を盛り上げていただいた。


時刻は7:00、昨年よりも非常に暖かい天候に恵まれた。
ここからパレード走行を経て、大門坂駐車場へと向かう。


世界遺産、那智大社の手前で早々に一人旅。

もうオフに入った身。
今年はおとなしく、景色を楽しみながら登ることにした。
スタート直後に集団のペースをカチ上げはしたが...
なお、計測チップによるタイム計測なので、スタート位置が後ろになってしまっても焦らずに自分のペースで走れる。


あそこから、ウネウネと登ってきた。
那智大社までは比較的緩やかな勾配だが、そこからの山岳路に入ると勾配はキツくなり、いつまでも続くヘアピンの連続で集中力が切れてしまいそうになる。


最初のピーク、半分の距離のBコースのゴールである妙法山阿弥陀寺。
寺なのに、山門は鳥居。


本堂には御詠歌がかけられていて、いかに熊野への旅が険しいものだったかが窺える。
しかしこの言葉、まるで今日のヒルクライムに向けての言葉のようにも受け取れる...



門の隣には、ひとつ鐘と呼ばれる釣鐘がある。
人は皆、亡くなると必ずここへ参りこの鐘をならしてからあの世へと旅たつのだそうな。


火生三昧跡。
応照という行者が世の人々の罪を一身に背負って、自ら焼身した跡地。
パレード区間にあった補陀落山寺の渡海でも捨身行が行われていたし、当時の人々の信仰というのは非常に深かったのだろうなと感じる。


Aコースはまだまだ続く。
阿弥陀寺を過ぎて、なおも登り続け、朝のひと雨でウェットになったトリッキーな下りをこなし、スタートしてから20kmくらい走る。
ここからいよいよ、ここまでも十分キツイが、さらにキツくなる所。

繰り返される激坂区間に、気力と体力が如実に削られてゆく。
集中を切らさず、リズムを崩さず、最後の2kmをしっかり追い込むための余力も考えながら登らないと、タイムは伸ばせないだろう。


ラスト2km。
最後にして、最強の区間がやってくる。


写真では伝わりきらない、斜度、路面の悪さ。
ガタガタでリズムは崩され、苔むした路面でダンシングは困難。
進まないバイクに苛立ちが募っていく。

昨年の参加で勝手がわかっているから、いくらか余裕を持って突入できたものの、それでもやはりキツイ。


世界で一番長い500m。
歯を食いしばる参加者の方々の口から漏れてくるのは、「もう、いい加減にしてくれ!」「いつまで続くんだ!」「これはナシだろう」といった、ぶつける先がない怒りや不満の言葉。 笑
阿弥陀寺の御詠歌が思い出される。


先頭では、アツいバトルが繰り広げられていた模様。

全参加者が頂上まで辿り着いたら、一斉に下山。
キナンサイクリングチームがペーサーを務めて、安全に下れるようにゆっくりと。
非常に特殊な道を下るので、ゆっくり過ぎても遅すぎるということはないだろう。
そう、下りきるまでがヒルクライムです。


長い下りを無事に下りきり、大会会場まで辿り着けば、地元の名産をたらふく楽しむことができる。
マグロ汁、まぐろくん、各干物...


今年もトークショー、表彰式、プレゼントの抽選会が大盛況。


大きなトラブルもなく、無事に閉会。
レースを走るだけでなく、熊野地域を全開で楽しんでいただけたのではないだろうか。
ここにしかない物、景色、グルメ、また来てみたい、あそこにも行ってみたいと思える魅力がいっぱい詰まった熊野地域。

まだまだ走れるところがいっぱいあるので、ぜひともお越しいただいきたい。


なんといっても、那智勝浦といえばマグロ。
那智勝浦は延縄漁(1匹ずつ仕掛けで釣り上げる)を用いた漁で、生マグロの水揚げ量が日本一である。
手前の建物は、6月にオープンしたばかりの勝浦漁港にぎわい市場


朝7:00。
ズラリと並べられたマグロ。
毎日7:00~セリが行われていて、ここから全国へと届けられてゆく。


目利きの仲買人の方達が品定めをしていく。


セリと言っても、ここでは買い付けたいマグロに対して入札をして、その中で一番高値をつけた人が買えるという仕組みらしい。
いくらまで出せば買えるのか、他の業者がいくらで買うのか、品定めの目と長年の勘がモノを言いそうな現場だった。



温泉地ということもあるのか、すぐ隣には足湯の施設が作られていて、誰でも無料で入ることができる。
湯に浸かりながらボーッとしているだけでも、すごく心地いい。
温泉の効果か、脚が軽くなった気がする。


今回も非常に楽しめた熊野古道ヒルクライム。
キナンサイクリングチームは、熊野地域で多くのイベントを開催。

11/24には、紀南シーサイドグルメツアーを開催予定。
申し込みは11/6まで。
走りやすい熊野を走って、ご飯食べて、きっと熊野の魅力に取りつかれるはず...?

コメント

  1. 熊野古道ヒルクライム、お疲れ様でしたー!!😆😆😆
    今年は暖かったですよね!
    参加者の方々が幾分走り易い結果となれば良いのですが…
    そして椿選手はもうオフに入られた身なのですね〜
    これまたお疲れ様でした😊
    あれ?でも今週末の幕張クリテは普通のクリテリウムとは違うのでしょうか??
    幕張クリテも頑張ってください!💪😤
    そしてそして、毎回思いますがブログの内容が濃くて読み応えがあり、いつも「ほうほう、そんな場所が…!。へええぇ!!」といつも驚きつつも敬服いたします!☺️
    Bコースのゴール…
    単なる駐車場なのかと思ってました…😅😅

    それにしてもAコースを走られる方々は本当に凄いですね!!
    特にあのラスト2kmは…😰
    あれを自転車で登って行かれるというだけでも、もうもう物凄い尊敬の眼差しで見てしまいます!
    いやもう、ホントにお疲れ様でしたー!!
    拝見している側も楽しかったです!!

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    1. ありがとうございます。
      遊びに行ってみてください。

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