そこから

毎朝冷え込んで、起きるのがツラいこの頃。
寒さが得意な私でも、この朝の寒さは身に応える。

高校生の頃、冬場の朝は制服に着替えるのがとても苦痛だった。
実家の自分の部屋にはエアコンがなく(なんかつけたら負けだと思っていた)、部屋の3面がガラス窓に囲まれていて、夏はとても暑く冬はひどく寒いという部屋だった。
そんな部屋だったもんだから、服を脱いで、キンキンに冷えた制服に着替えるのがべらぼうに辛かった。

おかげで朝からテンションは上がらない。もともと低いタチだが。

そんなことをよく思い出すのだ、この時期は。
今となっては、ジャージに着替える時の辛さといったらありゃしない。
キンキンに冷えたサイクルジャージ、とりわけタイツがくせ者で、サイクルジャージの完全にフィットする冷たい生地が、体を冷酷に縛り上げて体温を容赦なく奪ってゆく。
こればかりは毎朝こなしていても、未だに慣れることがない。
起毛の裏地が暖かい空気層を形成するまでの、あの1分にも満たない短くて長い時間...ただただ耐えるのみ。
お陰で、練習モードのスイッチが入るけど。

準備運動してもなかなか体が暖まらないし、最高のモチベーションを発揮しているとは言い難い。
多少の抑圧というのも必要ではあるが。
つまり、体に密着する部分というのは、それだけ身体的にも精神的にも大きな影響を与えるということ。

目に見えるものだけが、全てではない。
強さの秘密は、往々にして、隠れた場所にあるものだ。


今シーズンからサポートして頂くことになった、La Nico 様のカスタムインソール
一人一人の足型に合わせたインソールを提供してくださる。


バイクと体を結ぶ唯一の部分。
生み出されたパワーを効率よく駆動に伝え、かつ、足に負担のかからないことも求められる重要な部分。
ゆえに、いかに自分にフィットしたものであるかが非常に大切である。

KINAN Cycling Teamの使用するNORTHWAVEのシューズを、さらにコンペティティブに、よりコンフォータブルしてしまおう。


先立って、昨年末にキナン研修センターにて我々の足型の測定をしていただいていた。
測定と言っても何も難しいことはなく、フィッターの方に随時相談を受けながら、指示に従うだけ。


まずはこちらの3Dスキャナーで、足のデータを取ってゆく。
足を乗せると...


コピー機のように下から光を照射して、正確な足の型のデータが取得される。


続いては、荷重の配分や重心の移動などの記録を取る。


グリグリすると...


重心のバランスや、荷重が大きくかかる部分などが視覚化される。
3Dデータと組み合わせることで、力が加わった際にも最適なフィーリングが期待できる。


かくして、白日のもとに晒された私の扁平足。
墓場まで隠しおおせると思っていたが...無念(//∇//)。

これらのデータと問診を経て、より詳細にソールの形状を決めて行く。


様々なタイプやシチュエーション、好みなどに合わせて素材も選ぶことが可能。


こうして出来上がるソールは、各人の特徴に合わせて細部の微妙な変化にも違和感なくフィットする。

元は自動車部品など切削する企業でもあり、こちらのソールの作成にあたっては、金型切削技術を応用してベース素材の板一枚から削り出しで作られる。
自転車乗りならば必ずしや心に響く、「削り出し」。
なんと贅沢なことか。


私は一番硬いベース素材を選択。
表面のカバー素材には、耐久性や快適性などでバランスの良さそうなEVAを。


非常に精巧に作り込まれている。
作って終わり、ではなく、実際に使用してからさらに細部を詰める。
曖昧な感覚、こうして欲しい、ここが気になる、などのフィーリングを一人一人マンツーマンで話し合う。
十人十足、まさにオーダーメイドで完璧にフィットするソールを求めることができる。

私は、足底の微妙な凹凸とカーブ。
そして土踏まず部分の微妙な高さや厚くする部分、形状などを本当にミリ単位で調整してもらった。
今回はフィッティング用のトラックでお越し頂いており、その場での切削や調整などの対応も素早くして頂いた。


走り込んで、新しいシューズとの馴染みも出したら、まだまだ気になる箇所に対応してくださるとのこと。

各店舗での測定によって、自分だけのインソールを求めてみてはいかがだろうか。


毎朝、キンキンに冷えてしまう制服がイヤだった私。
どうにかならないかと考えた末に、ワイシャツと制服ズボンと一緒にベッドに入ることにしたのだった。
目が覚めたら、ベッドから出る前に着替えてしまう。

そしてそれは、現在にも脈々と受け継がれている...

La Nico

コメント

  1. このコメントは投稿者によって削除されました。

    返信削除

コメントを投稿