境目

夏本番。

個人的に気温が32度を境に、発汗による冷却効果よりも体温上昇の方が勝ってくる。
なので被り水が効果的なのだが、練習中だとすぐに水がなくなってしまうので、すぐに水分補給できる場所で練習しなければならない。

水分補給は最重要課題であるが、ここまで極端にハードな環境で最も有効的なものはウェアである。
サイクルジャージなんてどれも同じだと思っている人は、非常にもったいないことをしている。

ウェアの素材による発汗性、軽量性、フィッティング感の違いによる着用感の違いは、そのままパフォーマンスの違いへと直結する。


極限の状況下でも快適に着用できるのはchampion system ELITEジャージ
まるでTシャツのようなジッパーなしのジャージで、サイクルジャージとして見ると違和感を覚えるかもしれない。
Tシャツを着るように着る。
レース会場でこれを着ていると、決まってこのジャージについて声をかけられる。

ジッパーなしで何が変わるのか、と思われるかもしれないが、ロードレースの特性を考えると非常に理にかなっている。

まず何よりも、非常に軽い。
地肌が透けるほどの薄さのAGILE生地を全面に使用している。
汗を多量にかいても、吸水量による重量増加も避けられる。


雨の全日本も着用した。
雨の日にあえて着用して、雨水でジャージが重くなるのを避けた。
寒そうにも見えるけども、雨にならばどんどん濡れてくるのでウェットスーツの要領で寒くならない。

一見すると虫採り網のようにスケスケのAGILE生地は、最高の通気性を実現している。
汗をガンガン蒸発させて体温を冷却させるので、走っていても暑苦しさがないし、下りなどに入ると本当に涼しさを感じる。

ジッパーを開けて、前をはだけたくならないか?
着てみれば分かると思うが、そんなことは一切感じない。
むしろ、ジッパーをなくしたことによって、前をはだける必要を感じなくなった。


今の時期、こんな玉汗をかいてはいないだろうか?
湿度が高くなると、発汗がうまくいかなくなり、体内の熱が逃げなくなる。
玉汗は汗が揮発していない証拠で、運動すればするほど体内の熱がこもっていくことになる。
その状態でジャージの前を開けたところで、体表面の汗が冷えるだけであまり体は冷やされていない。

例えばバケツ一杯の水があるとして、熱源など無しにして、それをいち早く気化させるにはどうしたらいいか。
そう、自然乾燥や扇風機を当てるよりも、タオルなどの布に水を含ませて干すのが早い。

つまりなぜジャージを着た方が涼しいかというと、ジャージの繊維に吸い取られた汗は空気に当たる面積が増えて、より多くの汗を蒸発させて多くの気化熱が発生させるからである。

そして着心地。
ジッパーが無いだけでこんなに楽になるものかとビックリした。
練習から帰ってきてシャワーを浴びてからTシャツを着た時に感じる、あの楽になる感覚。
いろんな動きや長時間の着用でも、着ていないかのような軽い着心地で非常に楽。
これを普段着として着用しても良いくらいである。

基準の採寸よりもタイトに作られているのだが、AGILE生地は非常に伸びやすい生地なので、体に吸い付くようにフィットする。
副次的に、バタつきを防ぐことによるエアロ効果や、雨天時のウェットスーツ効果などが実感できる。
この着心地は、エアロワンピースや他のジッパージャージや生地では実現できないだろう。


袖は長めで、よりAGILE生地の効果を高めている。
シリコンバンドで袖口を保持するのではなく、AGILE生地の伸縮性を活かしている。
腕全体を包むようにすることで保持力を高めて、ズレなどを抑えている印象。
実際、袖口は全くずれることはない。


ポケットまでもAIGLE生地なので、安全ピンでゼッケンをつける際には注意。
ここまで軽量化にこだわったジャージも無いのでは無いだろうか。


APEX ライトジャージは、ELITEジャージのジッパーバージョンと考えて良い。
使用されている生地もAGILEで、ほぼ同じ機能を発揮する。
耐久性はこちらの方があるかと思われる。
脱ぎ着する際にも無理なく着れるし、補給やらベストやら色々詰め込んだり、インナーやアームウォーマーなど着ける時はこっちの方が使い勝手が良い。


先の大分でも着用。


ELITEジャージよりも、袖口の補強部が広め。
AGILE生地の快適さは変わらず。


ポケットはライクラ生地。
サイドの防水ポケットは、よりしなやかなジッパーに変更されている。


この防水ポケット、どのくらい防水するのか。
試しに千円札を直に入れて、6時間走って見た。
大量の汗と被り水でビショビショになりながらも、お札の方は端が湿る程度。
完全防水とまではいかないものの、かなり実用的であると感じた。


その着心地、言葉では表しきれない。
試着するには多摩サイすぐそば、CROSS COFFEEまで。


おいしいコーヒーを飲みながら、ジャージの相談に乗っていただける。
あらかじめ予約をすれば、希望のジャージにすぐ袖を通すことができるとのこと。
オーダーの際には、デザインの相談までもその場でしてもらえる。

他にも高機能ウェアを多数揃えるChampion System
見ただけでは分からない、高機能ウェアの良さは着てみて気づく。

夏休みを利用して、手にとって見てはどうであろうか。

あぁ、エスプレッソ飲みたい...

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